ひと粒の米

■ひと粒の米■


どこの国の人でもそうなのでしょうか。
主食になる食品がどういう様子かをきけば、生活がわかるというようなことがありますね。
たとえば、「米の一粒もない」といえば何となく生活が困窮しているようだな、と察することができるわけです。もっとも、この頃では「パンのほうが好きだから、ウチで御飯炊くことってあまりないの」という人もいて、どの年代にも通用する表現ではなさそうですけど。
日本人と米とのつきあいはずいぶん古くて、縄文時代からと言われていますが、精白して食べるようになったのは奈良朝以後だそうです。それ以前にも臼や土臼でもみすりしていたため、玄米とはいえ今でいえば半つき米に近い状態だったのではないかと言われています。
栄養成分的には75%がでんぷん。胚芽にビタミンB1が多く含まれるのはよく知られています。精米すれば胚芽の部分がけずられるため、B1を強化した米もありますが、何にせよ、昔も今も大切なカロリー源です。
そしてもうひとつ。米は、ずっと日本の経済のものさし的な存在でした。
江戸時代、武士や大名の知行高は米に換算されて米をはかる単位の「石(こく)」で表わされていました。1石は10斗、約150㎏ですから、『100万石の大名』なら年俸が米にしておよそ15万tということになるのでしょうか。
いま日本の米は、減反政策や自由化の問題などを抱えています。でも、日本人にとって米は、ひとつの農産物としてだけでは割り切れない、何か特別なものがあります。
花なら桜。稲作の歴史の中で育まれてきた文化とでもいうのでしょうか。
いずれにしても、米はやっぱり今も昔も日本の食糧の王様。てのひらにすくいあげてよくよく見ると、ほら、小さいくせに威風堂々としていませんか。

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